番外編 ナビの鉄道旅行記2002 パート2
10月14日
昨夜は何だかんだ言っても1時前の就寝になってしまったんだけど、函館朝市に行きたかったのでモーニングコールを5時30にセットしておいた。すんごい眠い。朝のシャワーを浴びて覚醒を促す。6時にはホテルを出て朝市を見学する。かなりの賑やかな朝市だ。中には浴衣を着て歩いている人もいる。近くに旅館でもあるのかな?いろいろ物色しているんだけど、朝市そのものには興味はない。中にはカニを勧める売り子さんもいるけど、買う予定はないので立ち止まらずに見学する。
人気の高いお店はこんな時間でも行列ができている。ガイドブックのおかげなのかな?俺はそんなガイドブックは参考にはするけど、信じる事はしない。あくまで編集記者の一方的な意見でしかないと思っているからだ。何件かお店を廻って気になった店に入る。そこでカニ丼を注文。美味しいんだけどもちょっと味が淡白かな?もっと味が濃いほうが俺は好きだ。

ほかの店でもイカ丼を食べる。さばいたばかりのイカは白いんではなくてむしろ透明なのね。新鮮なイカは美味しい。さすがに朝から2食は多いな!
函館駅に向かう。駅のキオスクで、、、、六花亭のお菓子売ってるじゃん。なんで帯広で買うわけ?っていうか何で帯広のお菓子を、こんな遠い函館で売ってるわけ?って思う。今日乗る列車は快速海峡2号青森行きだ。これで竜飛海底で途中下車して記念館を見学する。見学専用車両は12号車。でも12両連結しているのではなく、隣は8号車だった。これって形式上なのかな?多分夏季のシーズンは一般車を11両まで連結するためかもしれない。

俺の乗る12号車のみ竜飛海底にて下車できるので一番はじの専用車だ。発車まで時間があるので一通り列車を見学してみようか。先頭は電気機関車のED79形式いわゆる青函トンネル専用機関車だ。JR北海道がタイアップしているドラえもんカラーに塗られている。俺的にはノーマルの方がカッコいいんだけど、子供達には人気がいいのかな?
車両は一般車両の中にドラえもんカーがあって子供達に楽しんでもらうようになっているみたい。ここは自由に出入りできる。今は誰も乗っていないけどももしかしたら小物でもしまってあって、遊び道具でも貸してくれるのかな?

一番後ろの車両を撮影しようとしたら485系のはつかり号が入線してきた。これって昨日撮影したのと同じかな?でも左側の海峡号は一目で疲れているのがわかる。この光景もあと2ヶ月もない。完全に乗り収めだな。そう思った。やがて定刻に発車。海底専用車は満席だった。意外と人気あるのね!
発車して、前方の車両基地にJR北海道の新型の電車が止まっている。イメージは昨日乗車したスーパー北斗に似ている。カラーはコーポレットからーのイエローグリーンをベースにステンレス車両だ。試運転でもやっているのかな?今年の12月には運転を開始する。海峡号は客車だからトンネルでも最高時速100Kmしか出ないけど、電車は最大140Kmで走る。かなりの時間短縮になると思えるんだけど、さらに旅情はなくなってしまいそう。でも一度は乗ってみたいけどね!

車内放送で「ボクゥ〜ドラえもん!乗車〜アリガトね〜!」って大山のぶ代の声でドラえもん放送が始まる。そのうち「のび太」君がやって子供達と写真を撮っていた。へえ〜!そこまでやるんだ!どうせならドラえもんが来ればいいのに。木古内を発車すると添乗員の係員が海底駅の説明を始めた。小さなバッチを付けて諸注意を聞く。
やがて青函トンネルに入る放送が入る。特に感慨はないな。単純に地下に入っていく地下鉄と変わらない。実際こんなんで50分近く真っ暗な車窓じゃ飽きるからドアの上には青函トンネルの電光板があって今何処を走っているのかが判るようになっている。これは便利だし楽しい。これが5Km単位で表示してくれる。乗客も何も見るものがないので、このボックスをただ見つめている。

できれば他の車両に行きたかったが、係員に制止された。時々戻ってこないで海底駅に下車できなくなったバカもんがいるらしい。そんなのはほおっておけばいいのに。そんなわけにはいかないか。
吉岡海底駅は通過する。特に案内放送はなかったけど電光板で、おおよその位置を把握できるので、真っ暗な世界を見続ける。すると明るいホームらしき部分にさしかかった。もちろん100Km位で走っているんだろうから、あ!っという間に消えてしまった。この吉岡海底駅はドラえもんのジオラマがあるらしい。でも地上には出られないみたいだけど。

やがて最深部海面下240mに進んだ。案内放送でも「間もなく最深部240mになります。」と言っていた。トンネルの蛍光灯が青と緑交互に点灯してあるのでわかる。ただこれだけかな?
まもなく海底駅に到着する。添乗員に促されて各自準備をする。停車後一番前のドアだけ開けて下車する。そしてバッチを付けているのを確認後人数をカウントしていた。これは誤下車しないようにとのこと。他の車両ではドアも開かずただ停車しているだけだね。ホームは実際1m位と細い。まあ実際には営業予定はないんだから、そんなもんかな!出発の写真を撮ろうかと思ったんだけど係員に危険だからと制止された。

細い通路で簡単にレクチャーを受ける。時々人数のカウントをするらしい。これは実際に事故があって、行方不明になったバカがいたんだそうな。とんでもないところまで勝手に行っちゃったみたい。それいらいカウントは時々するみたい。
全員をホームに誘導してくれた。ホームは本当に1m位の幅しかない。それと天井にはスプリンクラーらしきノズルが見える。これは青函トンネルの建設とは別に、北陸トンネルでの列車火災事故を想定して作った駅な訳なんだよね。あの事故は食堂車から火災が発生した時運転手がトンネル内で停車してしまったために、火災と煙で何人か亡くなったのを記憶している。それ以来各地で実験を繰り返して、列車がトンネル内で火災に見舞われたとしても、地上まで走りぬき煙などの被害を極力少なくする。

ってことが決まったんだけど、青函トンネルは世界2番目の長さ(第一位はユーロトンネル)なので、走りぬけることが出来るか不確定でもある。万一架線の電力供給などのアクシデントが発生した場合などいろいろなパターンを考察して旅客や乗務員を安全に地上に誘導できるシステムを考え本州側は竜飛海底駅北海道側は吉岡海底駅を作って万一に備えることにしたわけ。実際は俺たち一般人が立ち入れる場所ではないんだけど、これを観光目的にしているのが凄い。

やがて函館方面に列車が通過するので写真撮影の許可をもらった。あれ?昨日乗った特急日本海1号じゃん。そうか!昨日最後尾でトンネルみてたらパシャパシャフラッシュ焚いていたのは見学者だったんだ!今日は俺が撮影しているのね。でも運転士はお気の毒。フラッシュで眩しいでしょうに!
荷物を預けてカメラだけの軽装になり、添乗員が先導して歩く。意外と長い距離だ。こんなトンネルを地下100mより深い部分に作るなんて考えられない。中には水槽があって何だか知らない魚が泳いでいた。

やがてゲートに到着。ここは気圧を一定に保つためにあるとのこと。つまり海底付近の気圧は平地と一緒ではないのと、煙などの進入を防ぐ目的があるらしい。
この先、地上に出るために体験坑道と呼ばれるケーブルカーに乗車する。これは遊園地などのアトラクションとは違って本物の鉄道。だから日本一短い鉄道として登録されているらしい。
実際5分ほどの乗車で距離も778mしかない。但し。かなりの急坂であることは間違いない。乗車すると、はるか先まで見える。隣には階段があって何段だろう?とても登れたもんじゃない。

ゆっ〜くり登って行って、やっとお日様を拝める用になった。
ここは青函トンネル記念館として道の駅併設になっている。ここで集合時間まで自由行動ができる。約1時間30分ほどある。
希望者は添乗員さんが竜飛岬まで案内するらしい。俺がトイレ行ってる間にみんないなくなった。ありゃ?道がわからん。何だかすんごく暑い。オイオイ!10月かよ!今日は?って思う。遠くに添乗員の黄色いジャンバーが見えるんで何とか付いていく。でも迷路みたい。何とか団体さんに追いついた。ここは本州なんだけど、北海道の延長で思ってしまいそうなところだ。
海がよく見える所に津軽海峡冬景色の歌謡碑がある。中央に赤いボタンがあって押してみると、石川さゆりの津軽海峡冬景色の曲が流れた。でも1番の♪上野発の夜行列車〜〜♪ではなく、2番の♪ごらん、あれが竜飛岬〜〜♪から始まった。なるほど!上野発なんてどうでもいいもんね。

そばには話では聞いたことのある階段国道がある。もちろんR339の表示。その下に階段国道の表示。何でも国道に指定する際に階段だってのを確認しないで指定してしまったもんだから今でも残っているらしい。でも、はるか下まで階段が続いている。さすがに止めておこう。降りるはホイホイ。登って地獄だもん。
この先竜飛崎灯台があるんだけど、階段がキツイキツイ!ヒ〜コラいいながら何とか登れた。ここは真冬は、とんでもない暴風が吹くらしいけど、いたっておだやか!遠くにガスがかかっているんだけど北海道が見える。多分俺の知らない松前あたりかな?灯台の中にも入る事が出来た。コバルトブルーの海が吸い込まれるような美しさに疲れも忘れてしまいそうだ。(んなことないけどね!)

しばらく風景を眺めていると、汗も引いてきた。さすがに気持ちいいや!さて、そろそろ記念館に戻ろうか。記念館そのものも見たいし。
記念館は津軽海峡と青函トンネルの関係などを大きなジオラマやビデオを使って説明してある。時間がいくらあっても足りないかも知れない。第一、洞爺丸台風での大災害から40年という期間の歴史なんて簡単に片付けられるもんじゃないものね。それまでの計画から工事、挫折を経て昭和63年に開通するまで読んでいったら大変だ。

残念ながら集合時間が来た。ケーブルカーに乗って地下に降りていく。地下でも人形を置いた見学コースがあるので、そちらも見ていきたい。
ケーブルカーを降りて見学コースを歩く。ここにはトロッコ車やいろいろな機械が展示されている。それに多分ケーブルカーの延長してある線路かな?急勾配で下がってきていたりとか、そこそこ面白い。そういえば、さっき乗ってたケーブルカーだけど、そばに職員用と思われる車両があったっけ!多分見学をしない時期には車両を取り替えて運行するのかな?

でも簡単に陳列してあるけど、これらの車両はかなりの仕事をしてきたんだろうな!もっともこれらの仕事に携わった方達の労力は大変だったろうに。ゆっくり見ていったら添乗員さんに催促されてしまった。ちょっとノンビリしすぎたかな?
最後に列車が来るまでホームで待つ。その間記念のオレンジカードを購入する。駅名版があったので撮影しておく。ここは本州なんだけど、このさき津軽今別までがJR北海道の管轄ってのが、変だね!確実に青森県なのに。

やがて列車が入線してきた。列車は同じではなくても同じ指定席が確保されている。でも、あとは自由行動できるので、となりの空いてる車両に移動して座席をボックス状にして確保。足を投げ出して車窓を存分に味わう。この区間は俺は2度と快速海峡号では乗車することはないだろう。ガタンガタンと動力のない、ただ牽引されているだけの車両は今回が最後だろう。あとは寝台特急北斗星や一部の列車しかなくなるから、、、、。
青森駅には定刻より5分送れて到着。それに伴い接続するはつかり18号が発車を待っていた。俺もそれに乗らなくちゃならない。できれば海峡号を撮影したかったんだけども無理みたい。跨線橋をわたって急いで電車に向かう。隣のホームにもはつかり号が停車しているんだけど、この先の新幹線も指定を取ってあるので、どうしてもこれに乗らなければならない。

車掌に駅弁買う時間あります?って聞くと車内販売でも売ってますよ!ってんで、そのまま乗車。あ〜忙しかった!これじゃ体の不自由な方は乗車出来たんだろうか?って思う。しっかりここでも車窓を楽しんでしまおう。

やがて車内販売がやってきた。待ってました〜!ホタテ弁当を注文。それとお茶!やっぱり美味しい。食べた後はずっと車窓を眺めていたかったんだけど、なぜか睡魔が襲ってきた。しばらく寝入る。気が付いたら八戸まで来ていた。
しばらく新幹線も乗っていない。それに盛岡から大宮なんて遠距離なんて乗った記憶がない。これはこれで楽しみな一つだ。青森で特急はつかり号が出発で10分遅延だった関係上、盛岡では15分に広がってしまった。一応列車接続となっているので新幹線も発車せず停車していた。驚いたのは新幹線の改札だ。特急からの旅客がかなりいたらしく、自動改札を通さずゲートを開いて乗客を誘導していた。俺も自動改札は使用せず、ゲートを進ませてもらう。

やっと新幹線も発車。このやまびこ20号は新花巻、水沢江刺に停車したら次が仙台そして大宮と俺の下車駅まで3駅しか止まらない。こんなのってアリ?すんごく早い。途中の北上なんて車窓では駅名版すら読めない。車内の案内板で「ただいま北上駅を通過しています」ってスクロールする表示がなければ判らない。

仙台を出発すると次は大宮。途中福島も郡山も宇都宮でさえも停車しない。とても早い多分240Kmで走行しているんだろうな。さすが新幹線。ほぼ予定の時間に大宮に到着。あの遅れを取り戻したみたい。
今回は久々鉄道マニアとして北海道の旅をしてきました。これはこれで俺的には楽しかった。
編集後記
実際、今回は行くか行かないか悩みました。ただ、あと2ヶ月で終了する快速海峡号は日本で走る唯一の普通客車列車であったために、これが無くなると言うことは日本に客車列車が無くなる事であるために何としても乗り治めをしておきたかった。ただこれだけならば、何ら問題はないんだけども、帯広のぱんちょうの豚丼を食べようと(実際は混んでて諦めましたけど)言うだけで10時間ほど(片道5時間)列車に揺られていくのは、そう何人もいないでしょう。バカと言うほかありません。

でもこれが自分には好きなんです。ただ車窓を眺めて駅弁を食べ、飽きたら寝る!これはハマったら病み付きになってしまうかもしれません。今回は大好きな列車の旅での心に記憶を植えつけたことと思います。いつの日か青函トンネルをスーパー白鳥号で乗車したとき、この思い出が蘇ってくるかもしれません。そんな鉄道の旅行記でした。
青函トンネルケーブルカー(正式には斜坑線)に乗車して体験坑道を見学すると証明書をくれる。 こちらは青函トンネル記念館の入場券の控え。もしかして俺は85万8814人目の見学者なのかな?そんなに来ていたんだ!
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